採用が変わる、地域も変わる。「共創型」人材戦略の可能性

COLUMN

採用が変わる、地域も変わる。「共創型」人材戦略の可能性

求人を増やす前に、会社の仕事と地域の関係性を設計する。人材不足を「人が来ない問題」で終わらせず、仕事・育成・受け入れ・地域PROJECTまで一つの構造として見直すための実践知です。

地域で人が育ち巡る関係性

この記事の前提

厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」では、年初の常用労働者数に対する入職率は14.8%、離職率は14.2%とされています。人が入ることも辞めることも一定数起きる前提で、企業は「募集するかどうか」だけでなく「入った後に活きる仕事と受け入れ体制があるか」まで設計する必要があります。

また、総務省は地域おこし協力隊など、地域外の人材が地域と関わる制度情報を公開しています。地域で人材が育ち、関係性が続く状態をつくるには、地域の魅力を発信するだけでは足りません。PROJECT情報、制度理解、受け入れ体制、参加後の1on1や育成ロードマップまで整える必要があります。

「人がいない」の前に、仕事と関係性が設計されているか

地方・中小企業の採用相談では、「求人を出しても応募がない」「採用しても続かない」「若い人が地域に残らない」という声が多く聞かれます。もちろん市場環境の影響はあります。しかし、Onefamilyはその課題を人手不足だけで片づけません。人が来ない背景には、仕事の中身が曖昧なまま伝わっている、入社後の期待値が整理されていない、地域でどんな経験ができるのかが見えていない、といった構造上の原因が隠れていることがあります。

共創型の人材戦略とは、企業だけで人を抱え込む発想でも、地域に人を集めるだけの発想でもありません。企業、地域、働く人それぞれが「何を知り、何を担い、どう育ち、どう関係性を続けるか」を一緒に設計する考え方です。採用はその一部であり、入口にすぎません。仕事が見える化され、育成の順番があり、地域との接点があり、本人の才能や価値観が活かされる構造があるから、人は入り、居続け、活きることができます。

地域と企業と人がつながるPROJECTのイメージ
地域人材の循環は、募集情報だけではなく、仕事・育成・関係性の設計から始まります。

共創型人材戦略で整理する5つの視点

人材戦略を「採用活動」に閉じると、求人票、応募数、面接数だけを見てしまいがちです。しかし、実際に成果につながるのは、その前後の設計です。どんな仕事を任せるのか。その仕事にはどんな職能が必要なのか。どこまでを採用時に求め、どこからを育成するのか。地域PROJECTであれば、参加前に何を知ってもらい、どんな不安を整理し、参加後にどう振り返るのか。これらを先に整えることで、人材施策は点ではなく線になります。

視点 確認する問い Onefamilyでの実装例
業務 本当に任せたい仕事は何か。成果に直結する業務はどこか。 JOBJOINで業務分解を行い、必要職能・マイクロスキル・KPIへ落とす。
その仕事で活きる才能、価値観、働き方の軸は何か。 JOBEEで自己理解を言語化し、育成・配置・1on1へ接続する。
育成 入った後、何からできるようになればよいか。 30日・90日・半年の育成ロードマップをつくる。
地域 地域でどんなPROJECTに関わり、何を学び、誰とつながるのか。 てんしょくしホーダイでPROJECT情報、制度説明、意向整理、交流設計を行う。
経営 どんな組織をつくりたいのか。経営者は何を手放し、何を守るのか。 経営者リトリートで内省を組織づくりの判断軸へ翻訳する。

採用だけで解かない。再配置、育成、標準化、PROJECT化も選択肢にする

人が足りないと感じたとき、すぐに採用を考えるのは自然です。ただし、採用は常に最初の答えとは限りません。業務を分解してみると、既存社員の再配置で解決できるもの、研修と1on1で伸ばせるもの、マニュアル化や自動化で負荷を下げられるもの、地域PROJECTとして外部との関わりをつくった方がよいものが見えてきます。

たとえば、売上が伸びない原因を「営業人材が足りない」と捉えていた企業でも、実際に分解すると、商談数ではなく初回ヒアリングの質、見積作成の遅れ、顧客情報の共有不足、現場との連携ミスがボトルネックだったということがあります。この場合、採用より先に業務改善、役割分担、KPI設計、育成テーマの整理が必要です。JOBJOINは採用前の支援ですが、採用だけを目的にするのではなく、経営課題の原因を仕事の構造から見立てます。

よくある相談 採用前に見るべき構造 打ち手の候補
求人を出しても応募がない 仕事内容、任せたい成果、育成環境が伝わっているか。 業務分解、求人要件の再設計、受け入れ体制の整理。
採用しても続かない 入社後の期待値、相談先、初期育成の順番があるか。 オンボーディング、1on1、30日ロードマップ。
社員が育たない できるようになる行動が具体化されているか。 マイクロスキル化、育成面談、配置見直し。
地域で人材が定着しない 企業単体ではなく、地域との接点が設計されているか。 PROJECT情報、交流会、制度説明、継続的な振り返り。

地域PROJECTでは、情報提供と受け入れ設計が信頼になる

てんしょくしホーダイは、人材紹介でも人材派遣でもありません。求人者と求職者の間に立って雇用関係の成立をあっせんするサービスではなく、Onefamilyが担うのは、地域PROJECT情報の提供、制度説明、個別面談による意向整理・同意確認、参加後の1on1、KPI確認、育成ロードマップ、交流会、PROJECT運営支援です。企業と参加希望者が雇用契約を結ぶ場合は、各企業と参加希望者が直接やり取りし、直接雇用契約を結びます。

この前提を明確にすることは、法務上の安全性だけでなく、参加者・企業・地域に対する誠実さでもあります。地域で働く、関わる、学ぶという選択には、期待と同時に不安があります。だからこそ、何をするPROJECTなのか、どんな制度なのか、どんな人が関わるのか、参加後にどんな相談機会があるのかを、事前に分かりやすく提示する必要があります。

共創型にするためのチェックリスト

社内で人材施策を見直す際は、次の問いを確認してみてください。すべてを一度に整える必要はありません。まずは「採用で解くべき課題」と「仕事や受け入れ体制を整えるべき課題」を分けるだけでも、打ち手の精度は変わります。

チェック項目 確認できている状態
任せたい業務が分解されている 求人票や社内説明で、業務名だけでなく成果・判断・連携先まで説明できる。
必要職能とマイクロスキルが分かれている 経験年数ではなく、具体的にできる行動で育成・配置を考えられる。
採用以外の選択肢を比較している 再配置、育成、外注、標準化、自動化、PROJECT化を検討している。
参加後の相談と振り返りがある 入社後やPROJECT参加後の不安を拾う1on1やKPI確認が設計されている。
地域との接点が一過性で終わらない 交流会、学びの共有、アルムナイ的な関係性など、継続接点がある。

Onefamilyが見ている未来

Onefamilyが目指しているのは、単に採用がうまくいく会社を増やすことではありません。人が会社を知り、見て、入り、居続け、活き、必要に応じて地域の中で巡っていく流れを設計することです。人が活きる組織は、偶然ではなく設計できます。その設計は、理念だけでも制度だけでも完成しません。経営者の想い、現場の業務、人の才能、地域の関係性をつないで初めて動き出します。

採用に困っているときほど、まずは求人票ではなく仕事の構造を見ます。地域で人を受け入れたいときほど、まずは地域の魅力ではなくPROJECTの情報設計と受け入れ体制を見ます。人材戦略は、会社の未来をつくる経営戦略です。そして地域にとっては、人が学び、関わり、また巡っていく関係性を育てる社会戦略でもあります。

採用や地域PROJECTを、仕事と人の構造から見直しませんか。

JOBJOINでは業務分解・必要職能・マイクロスキル・KPIを整理し、JOBEEでは個人理解を育成・配置へ接続します。地域PROJECTについては、情報提供、制度説明、意向整理、育成ロードマップ、運営支援までを一緒に設計します。


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